告発した弁護士「虐待は病院全体に蔓延か」 東京・八王子市の精神科病院

東京・八王子市にある精神科病院で入院患者が看護師から暴行などの虐待を受けたとされる事件で、17日、事態を告発した弁護士が会見を開き「虐待は病院全体に蔓延(まんえん)しているのでは」と訴えました。

 提供された映像には、入院患者が暴行される様子や身体を拘束をされる様子が映っていました。

 相原弁護士は、会見で病院ではおととしの夏頃からおよそ10人の入院患者から虐待の相談を受けていたと明らかにしました。

 高幡門前法律事務所・告発人、相原啓介弁護士:「(患者が)病室に帰ったらまた、殴られます。どうしても連れて帰れないんだったらもう、ここにずっと一緒にいて下さい、とずっと泣きながらおっしゃっていた方がおりました。病院全体にこういったこと(虐待)が蔓延しているのではないかという疑いを私自身は強く持っているところです」

告発をきっかけに、この病院に勤務する看護師の50代の男が男性患者に暴行した疑いで逮捕されています。2023/02/17 テレビ朝news

患者を支援する弁護士が公開した東京・八王子市にある滝山病院内部の映像。長い布のようなもので手首などを縛られ、ベッドに拘束される様子が確認できます。暴行の痕でしょうか。顔から血を流している患者も。

 虐待を訴える患者の代理人・相原啓介弁護士:「やはり、数名の心無い職員による偶発的な虐待事件とは思えない。どちらかと言いますと、病院全体にこういうことが蔓延(まんえん)しているのではないかという疑いを私自身は強く思っているところです」

 滝山病院を巡っては、すでに看護師の50代の男が暴行の疑いで逮捕され、他にも3人に対し患者を殴るなどしたとして捜査が進められています。

 職員:「地震だ。…(患者の名前)地震だよ、すごい地震」

 さらに消灯時間になった後、声を出していた患者に近付く職員。

 職員:「うるせぇ。皆、寝てんだろ。静かにしろ」

 患者側の弁護士によりますと、10人ほどから「暴行を受け、退院したい」などと相談を受けたそうです。

 虐待を訴える患者の代理人・相原啓介弁護士:「明らかに身体拘束されていたことがはっきりしている人のカルテを調べても、その時には医師の指示が記されていない。当然、医師の指示があれば必ずカルテに記載することが法令上、義務付けられているので、実際は医師の指示がなかったのではないかと考えている」

弁護士らは指導・監督を行う東京都に徹底した調査を要請しました。

東京・八王子市の精神科病院で職員の男が患者に暴行を加えたとして逮捕されました。テレビ朝日が入手した映像には、職員が患者の顔を何度もたたくなど日常的な暴行をうかがわせる様子が映っていました。捜査を警察はどう進めていくのでしょうか。

(社会部・山木翔遥記者報告)
警視庁は今回逮捕された男について調べると同時に、ほかに虐待行為があったかなども含め病院の実態を調べていくとみられます。

捜査関係者などによりますと、この精神科病院では、逮捕された50代の看護師の男を含め4人の看護師らが、去年1月から4月にかけ、患者へ暴行した疑いがあると告発を受けています。

この4件の被害者はそれぞれ別の患者で、いずれもベッドで横になっていた患者に暴行した疑いがあるということです。

加害者と被害者がそれぞれ違うことなどから、こうした暴力行為が日常的に行われていた可能性もあるとみられています。

警視庁は病院関係者から話を聞くなど、詳しい実態を調べる方針です。

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