「バキッ」と頭に衝撃、失明した高校生 SNSに「暴走」とデマ 進学・就職「将来が不安で胸が押しつぶされそう」

1月27日未明に沖縄市の路上でバイクを運転していた男子高校生と巡回中だった男性巡査の持っていた警棒が接触し、高校生が重傷を負った事件で、当時バイクを運転していた高校生が今月20日までに本紙の取材に応じた。高校生は「早く解決して平穏な生活に戻りたい。将来も不安」と苦しい胸の内を明かし、SNSなどに投稿された匿名の誹謗(ひぼう)中傷には「思い出したくないから、見ないようにしている」と唇をかみしめた。(沖縄タイムス社会部・矢野悠希)

高校生によると、事件発生の前は友人らとコンビニの駐車場にいた。未明になって友人に荷物を渡そうとバイクを走らせた。速度は「体感で20~25キロくらい」。突然、路地の暗がりから1人の警察官が「スッ」と現れた。次の瞬間、「バキッ」という音とともに頭に衝撃が走った。

「警棒で殴られたのかな」。動揺して、そのままバイクでその場を離れた。次第に意識がもうろうとし、顔の右部分がじんわりとまひし始めた。バイクを止め、近くの車の窓ガラスに映る自分の顔を見た。右目から何かが垂れているのを感じ、仲間に助けを求め、その場に倒れ込んだ。

 搬送された病院で緊急手術が行われた。術後、意識が戻っても「右目の痛みで左目も開けられなかった」。入院4日目、自分の手で左目のまぶたを押し上げると、病室の天井が見えた。「俺、病院にいるんだ」。2回手術を受け、入院は17日間に及んだ。

 医者から、視力は失われて戻らないと言われた。右眼球内はほとんど摘出したため、義眼を入れることも考えている。警官は職務質問をするためにバイクを止めた、と聞いたが「どんな職務質問だよ」と思う。

 すでに退院し、休んでいた高校にも通い始めた。以前の生活が戻りつつあるが、どうしても人目が気になり右目を見られないよう過ごしている。

 「SNSの自分についての投稿は見ないようにしている」とうつむく。事件のことは意識して考えないようになった。飼っている愛犬のダックスフントが大好きで、将来はトリマーやドッグトレーナーなどの仕事がしたいと、専門学校への進学も考えている。

だが自分が暴走行為をしていたといううその情報が流れ、まだそれを信じている人もいる。「こんな自分を雇ってくれる会社があるのか、考えるだけで将来が不安で胸が押しつぶされそうになる」沖縄タイムス4月21日

右目失明 警察官の警棒と特定 科捜研、高校生のDNA検出 沖縄県警が母に報告

1月27日未明に沖縄市宮里の路上でバイクを運転していた男子高校生(17)と巡回中だった巡査の男性警察官(29)=年齢はいずれも当時=が接触し、高校生の右眼球が破裂、失明した事件で、県警が科学捜査研究所(科捜研)に鑑定を依頼した警棒から高校生のDNAが検出されていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、高校生のけがは警察官が持っていた警棒によるものと特定した。

 捜査関係者によると、警察官は警棒を伸ばした状態で持っていた。

 県警は20日、高校生の母親と面会。母親によると、警棒から高校生のDNAが特定されたと報告を受け、「接触した警察官は申し訳なく思っている」と伝えられたという。母親は警察に「新学期までに捜査の進捗(しんちょく)状況を知りたかったのに、伝えられるのがどうしてこんなに遅いのか」と訴えたが、警察は「上に伝える」とだけ答えたという。



これまでの県警の調べによると、高校生は「警察官に警棒で殴られた」と話している。一方、警察官は「向かってきたバイクを止めようと、警棒を持つ腕を伸ばしたら当たった」と説明しており、食い違いが生じている。現場には接触の様子を捉えた防犯カメラがなく、目撃者がいないことから捜査は長期化している。

県警は少年からDNAを採取し、当時警察官が持っていた警棒や身に着けていた制服などの鑑定を進めていた。高校生と警察官の双方から聞き取りし、現場での立ち会い調査などを行って詳しい接触状況を調べている。また専門家の意見も聞き、高校生とバイクがどう接触したのかの実験も繰り返している。

警察官は警棒を「右手に持っていた」としていることについても、警察は慎重に捜査を進めている。

県警はこの事件で沖縄署にあった投石などの器物損壊について、関わった少年などを任意で調べている。またこの事件に関連してSNSに投稿された「高校生は暴走行為をしていた」「無免許」「ノーヘル」などは事実誤認だと否定している。沖縄タイムス4月21日

あの事件は私は無罪。あの時の検事が逆に逮捕されるべきだー。「沖縄密約」半世紀 90歳の西山太吉さんが語ったこと

1972年の沖縄返還をめぐり、日本政府が米軍用地の原状回復費400万ドルを肩代わりするとした「密約」をスクープしながら、入手先の外務省女性事務官と共に国家公務員法違反容疑で逮捕、起訴された元毎日新聞政治部記者の西山太吉さん。あれから50年。90歳となった今、西山さんは事件をどう捉えているのか。北九州市の自宅で話を聞いた。(時事通信社会部 安田剛史、福岡支社編集部 森ちひろ)

 ―そもそも密約の存在にどのように気付いたのか。

 沖縄返還交渉の中で、米国は「1ドルも払わない」と言っているのに、日本側は「米国が払うべき性質のものだ」と言うので矛盾があり、変だなと思っていた。ただし、あれは氷山の一角。沖縄返還交渉全てが密約だった。

佐藤栄作内閣は沖縄返還を自分の業績にするために「4選が終わる1972年までに」と交渉の期限を切った。米国はこれを最大限に利用し、(日本に)条件をのませた。それが在日米軍の自由使用。どこに出動しようと日本政府と事前協議しなくていい。(日本は)国家としての主権を自ら放棄したのと同じだ。密約の400万ドルなんて小さな話で、最大の問題はそこにあった。

日本は結局全部のんだが、日米安保条約には事前協議がうたわれているので、自由使用にするとは書けない。第2の安保闘争になってしまう。そこで事前協議条項は残すが、実際には全部イエスにすると米国に約束したのが大密約。沖縄返還の最大のテーマは、この在日米軍の完全自由使用だ。

 ―外務省の女性職員から入手したものをそのままストレートにはニュースにしなかった。

 あの時、毎日新聞の西山太吉は飛び抜けた特ダネ記者だと言われていて、外務審議官と兄弟みたいに親しかったので、書いたら審議官ラインと分かる。書いたらすぐ捜査されるので書けなかった。でも実際は、一面トップに事実上日本側が肩代わりすると書いた。なので、書いていないというのはうそ。書いたが、電信文をそのまま載せたら捜査の対象になるのでやめた。情報源を守るための手段だった。それが予想外に(女性事務官が)自首した。あのような結果を招いたのは自首したからで、自首なんて想定していなかった。

 私が記事を書いて以来、西山が極秘情報を持っていると社会党がにらみ、毎日のようにやって来た。いつも帰れ帰れと断ったが、とうとう渡したのは「これは氷山の一角だ」という認識から。新聞には書けないが、問題にしなければいけないと思った。私としては断腸の思いだった。国権の最高機関である国会で審議させるべきという認識でやった。私は何も悪いことはしていない。

 ―結果的に情報源が特定されて女性と共に逮捕された。

あの事件は私は無罪。あの時の検事が逆に逮捕されるべきだ。機密漏えいではなく、密約の暴露。しかもあの時は、外務省アメリカ局長だった吉野文六氏が偽証した。後に吉野氏は私の裁判でうそだったと証言した。うそだから機密ではない。「米国側が払う」とうそをついた。暗黒裁判だ。日本の民主主義がいかにレベルが低いかを如実に示したのがあの事件だ。

―起訴状に「ひそかに情を通じ」と女性との男女関係を書かれたことで、スキャンダルの方に注目が集まった。

 ああいう起訴状を書いて陥れようとしたが、あれは全部国家の犯罪。裁判で偽証してやっつけようなどというやり方は民主主義国家では絶対にない。あれは事件ではない。ないことを作り出した国家犯罪。実際の問題を暴露したのは密約開示請求訴訟の一審の大勝利だ。あれで実態が分かった。勝利以外何もない。負けたのは国家だ。

 ―当時を振り返って、こうすればよかったというのは。

 あれ以外ない。あの時に取った方法はあれでいい。あれ以外どういう方法がある? 最後までうそをつき通したのが国だ。私は犠牲者だけど勝利者だ。今は赫々〔かっかく〕たる戦勲だと思っている。(女性事務官が)持ってきてくれただけの話で、強要なんて一切していない。

吉野氏が出てきて、うそでしたと言った。それで終わり。それよりも国家の犯罪を指摘しなくてはいけない。日本の情報公開がどんな体たらくで、欺瞞(ぎまん)に満ちたもので、いつも国家の不当な秘密を隠すために権力を乱用しているか。安倍内閣の公文書改ざんで立証された。私の事件はその原点だ。

―安倍政権では特定秘密保護法が制定され、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法が成立した。森友、加計学園問題や桜を見る会の事件では、公文書や国民への説明を軽視する姿勢が目立った。

 集団的自衛権は完全な憲法解釈の曲解だ。一連の流れに共通するのは、権力によって真実をゆがめ、都合のいい文書に改ざんして国民に示すということ。それは完全な民主主義の否定であり、その原点は佐藤内閣にある。

 ―今の岸田内閣の評価は。

 私は宏池会の黄金時代を知っている。それに照らすと、こんなスケールの小さい総理はいない。(岸田文雄首相は)宏池会と言いながら安倍晋三元首相にべったり。縮小再生産でどんどん小さくなっていく。昔は気風が違うタイプの人がそれぞれ派閥、政策を持って切磋琢磨(せっさたくま)し、その中から調整されて出てきた。今は命令一下。面白くない。

 ―野党は。

 ますますいない。みんな小粒になってスケールが小さくなった。そういう政治を生み出しているのは、国民の主権者としての問題意識が低いから。大衆のレベルが上がらないと政治のレベルが上がらない。

―沖縄返還50年を迎えるが、米軍基地が集中する現状は変わっていない。密約をスクープした記者として、日米の基地負担の在り方をどう見ているか。時事通信社4月4日

「子どもを産みたかった」12歳で子宮奪われた女性・・・人生をかけた訴え 旧優生保護法で強制的不妊手術 犠牲者は2万5千人

戦後、50年近く障害がある人たちに不妊や中絶手術を強制した『旧優生保護法』。12歳で子宮を摘出された脳性まひの女性が、裁判にかける思いとは。

「ちょっと飲まして。どんな味か」

 神戸市に住む、鈴木由美さん、65歳。脳性まひがあり、生まれつき手足が不自由です。24時間ヘルパーの助けが必要ですが・・・

 車いすでの移動のほか・・・スマートフォンの操作も、この通り。

「みんなにこうやって連絡している」

 かわいいものやオシャレが大好きで、『できることは自分でやる!』をモットーに、1人暮らしをしています。

「この子(ヘルパー)なんかは息子みたいな感じ。息子みたいな感じよ」

 いつも明るい鈴木さんですが、過去に受けた“ある手術”によって人生が一変し、心の奥では、今もその苦しみを抱えています。

「私が12歳になった春かな。日にちも鮮明に覚えてるねんけど、母に『由美、いついつ入院するから』って言われて、『入院ってどこに?なんで入院すんのかな?』って」

 幼いころの鈴木さんは、自力で座り、支えられれば立つこともできました。『入院する』と告げられ、『歩けるようになるかもしれない』と思ったといいます。しかし・・・

「手術室の前に来てドア開けたら、いきなりライトがウワーっと光ってるし、白衣着た先生方がようけおるし、ハサミとかを動かす音が聞こえてきて、『何されるのかな』って、思わず『ウワー』って泣き叫んで・・・」

 それは、足の手術ではなく、『子宮を摘出する』手術でした。

背景には、1948年に施行された『旧優生保護法』がありました。終戦直後、戦地からの引き上げなどで人口が急増し、深刻な食糧不足に陥っていた日本。生まれる子どもの数を減らすため、国は『障害者は劣っている』」とする『優生思想』に基づき、障害がある人などに強制的に不妊手術を実施したのです。

「北海道では全国に先駆けて、不幸な子どもを生まない運動を推し進めている・・・」(北海道で放送された広報番組)

 全国で宣伝活動が行われ、法律が改正された1996年までに、少なくとも約2万5000人が不妊や中絶の手術を受けさせられたとされています。

鈴木さんもその内の1人。12歳で何も知らされないまま子宮を摘出され、長年、後遺症に苦しんできました。

「おばあちゃんが(私が)洗い物をしてたときに『チャリン』ってどっかで聞いたような音がして。『あの怖いときの音や』という気が出てきて、フラッシュバックから緊張で体が曲がらへん。のけぞって、こんなんばっかりで…」

フラッシュバックによるひきつけで1日に何度も注射を打つ状況が続き、寝たきりに。ベッドで横たわる日々を過ごす中、生理が来ないこととおなかの傷跡から、何をされたか理解したといいます。

「これで私は大きくなっても赤ちゃんができない、お母さんになれないっていうのははっきりわかったかな」

車いすに乗る練習を必死に続け、手術から約20年経って、ようやく外出できるように。42歳のとき、交際相手に事情を説明した上で結婚したものの、その後、相手が子どもを欲しがるようになり、5年後に離婚しました。

「やっぱり好きな人の子どもを産みたいのは産みたかったよ」
「腹が立って腹が立って・・・。誰も分からんと思うわ。された人じゃないとわからんと思う」

一度も学校に行けませんでしたが、資格を取るなど、懸命に努力してきた鈴木さん。手術が、『旧優生保護法』という法律に基づくものだったと知ったのは2018年、宮城県で知的障害がある女性が初めて、国に謝罪と賠償を求めた裁判がきっかけでした。

 鈴木さんも2年前、声を上げることを決意。兵庫県の聴覚障害がある2組の夫婦とともに、国に謝罪と計5500万円の賠償を求めて提訴しました。これまで誰にも知られてこなかった現実を知ってほしい一心でした。

「やっぱり本当にみんなが『こんなことあったんや』って理解してほしい。裁判官の人には私たちの声を聞いてほしい。みんなと同じ人間やし、人間扱いしてほしい」

先月3日。鈴木さんは、他の原告や支援者とともに神戸地裁に向かいました。すでに判決が下った同様の訴訟5件は全て原告が敗訴。2年に及んだ裁判で訴え続けてきた鈴木さんの思いは届くのか。法廷内に緊張が走ります。

『主文、原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする』

 言い渡されたのは、たった二言でした。神戸地裁は、旧優生保護法は違憲とし、長年改正せず放置してきた国会議員の責任にも触れた一方、手術から20年以上が経過し、賠償請求できる『除斥期間』が過ぎているとして、原告の請求を棄却しました。

「私たちの声が届いていなかったと思います。2、30年寝たきりで外にも行けない、情報もない。そんなところで何が除斥期間ですか?」

 約1週間後。鈴木さんの自宅には、担当の弁護士の姿が。

「院内集会といって、判決を受けて国会議事堂の中で議員さんも含めて集会するということになります」(細田梨恵 弁護士)

 すでに、次に向かって動き出していました。国が植えつけた『障害者は劣っている』という思想は、今も根深いと話す鈴木さん。これからを生きる人たちのためにも戦い続けるといいます。

「障害があるからあきらめるんじゃなくて、何年かかっても何十年かかっても勝つまでやっていきたい。命が続くまでやっていかないと意味が無いと思うし、私の人生戻ってこないけど、そういうふうにしていきたい」

ABCニュース20210928

強制不妊手術!48年6月、超党派で議員提案され、同月に全会一致で可決、同9月に施行、49年5月に改正された。

「直腸に金属製ナット」入所者が不自然なけがをする公立施設の闇

神奈川県立の知的障害者施設で、県が職員にアンケートを実施したところ、約40件もの虐待疑いの情報が寄せられた。この施設では、入所者の一部をほぼ終日、外側から施錠した部屋に閉じ込めていたことが昨年、判明。入所者が不自然なけがをするという問題も指摘されていた。職員アンケートの回答には耳を疑うような内容も含まれている。一体、施設内で何が起きていたのか。(共同通信=市川亨)

 ▽虐待を隠蔽した疑いも浮上

問題の施設は、神奈川県中井町にある県立「中井やまゆり園」。誤解がないように付け加えると、2016年に入所者ら45人が殺傷された相模原市の「津久井やまゆり園」とは異なる。津久井園も県立だが、社会福祉法人の運営。中井園は県が直営する。つまり、働いているのは県職員だ。

中井園では、重い知的障害や自閉症で強度の行動障害がある入所者の一部を1日20時間以上、個室に閉じ込める対応が常態化していることが昨年、複数の職員の証言で明らかになった。

虐待を隠蔽した疑いもある。男性職員が19年に運搬用のカートを入所者にぶつけ、鎖骨を折るけがをさせたという証言があったのに、他の利用者が足で踏んだ事故として処理したというのだ。

 ▽職員本人が否定「原因は特定できない」

 神奈川県はこの骨折のケースについて再調査を実施し、結果を今年3月、県議会に報告した。県によると、法医学の医師はこう指摘している。「骨折部位や内出血の位置から見て、踏まれた可能性は低い」。さらに「ぶつけるところを直接見た」と言う職員も現れ、「利用者にカートをぶつけることが日常的にあった」という証言も寄せられた。

 疑われた職員は当初、暴行を否定。現在は別の施設に異動しており、関係者によると「病休中」という。県は本人から話が聞けないとして「原因は特定できない」と議会に報告した。

共同通信は骨折した利用者のものとされる写真を入手。見たところ、右肩に大きく赤黒いあざが広がっている。複数の職員は取材に「踏んだことによるけがでないことは最初から一目瞭然なのに、他の入所者のせいにして事故扱いにし、再調査でもうやむやにした」と話し、園や県の対応を批判した。

▽アンケートの回収方法を勝手に変更

神奈川県は骨折の再調査の中で、別の虐待疑いがあったとの情報を得た。これを受け、中井園の現・元職員約250人を対象に昨年12月下旬~今年1月中旬、匿名のアンケートを実施している。

 現職の職員からの回答は、誰のものか分からないよう園内に回収箱を設けるはずだったが、副園長が県の担当課に無断で回収方法を変更。封書で副園長らに渡すよう求めた。

 職員からは疑問視する声が上がった。「誰が回答したか分かってしまうし、中身を見られるのではないかという不安から答えなかった人もいるのではないか」

 菅野大史園長は取材に対し「『回収箱だと誰かが抜き取るのではないか』との声があったためで、他意はなかったということだが、配慮不足だった」と釈明。県の担当課も不適切だったことを認める。

 ▽直径2センチの金属製ナットが肛門に

結果的に、アンケートの回収率は約40%だった。それでも、虐待や不適切な支援の疑いがある情報が約40件もあった。県は内容を明らかにしていないが、複数の職員や関係者によると、「職員が利用者を殴った」「暴言を吐いた」「利用者が食事をまだ食べているのに、途中で捨てた」といった内容。関与を指摘されている職員は10人以上いるという。

そのほか「すしにわさびを大量に盛り、利用者に食べさせた」「利用者の顔に消毒液をかけた」という情報も。さらには「(工具部品の)ナットが利用者の肛門に入っていた」と驚くような事例もあった。

最後のナットのケースについて、共同通信は「事故報告書」を入手した。それによると20年3月、男性入所者の様子がおかしかったため、職員が病院に連れて行き、入院。手術で摘出されたナットは直径約2センチの金属製で、肛門の上の直腸に入っていた。

 一体、誰が入れたのか。ナット自体は入所者が日課の作業で使っていたものだったという。この男性には行動障害があり、報告書は「自分で肛門に入れてしまったと推測される」と結論付けた。だが、痛がっていたといい、職員の間からは「本人の行動パターンからして、考えられない。誰か職員がやったとしか思えない」との声が出ている。

 ▽「変わらなければ県立施設として存在意義ない」

鎖骨が折れていたケースに関する県の報告は、園の「根本的な問題」をこう指摘する。「けがの原因を利用者同士のトラブルと断定してしまう、人権軽視とも取れる体質」

さらに「職員同士のコミュニケーション不足や、管理職が利用者を見ていない状況がある」としている。職場環境がかなり不正常な状態になっていたようだ。県は本庁職員を園に常駐させ、組織運営を見直しているほか、新規の入所者受け入れを停止した。

アンケートで寄せられた多数の虐待疑いの情報については、3月3日に有識者から成る調査委員会を設置。職員らから改めて話を聞き、事実関係を調べている。

 委員会の初会合で黒岩祐治知事は「アンケートの内容を見て、がくぜんとした。うみをしっかり出し切ってほしい」とあいさつ。委員長の佐藤彰一・国学院大教授は「なぜこのような事案が生じているのか、事実関係はもちろん、背景事情を含めて明らかにしたい。利用者の生活と職員の職場環境を良い方向に変えていかなければ、県立施設として存在意義はない」と厳しく指摘した。

虐待疑いの情報には、職員間の対立による悪意のある内容も含まれている可能性がある。委員会は慎重に調べる考えで、まず4月末に調査結果の一部を公表するとしている。

原口一博議員「日本国内で日本人の記者が米軍に銃を向けられる事件が起きた」「日本政府、米政府が法と正義に基づく対処をするよう強く求める」

原口一博議員「日本国内で日本人の記者が米軍に銃を向けられる事件が起きた」「日本政府、米政府が法と正義に基づく対処をするよう強く求める」

日本国内で日本人の記者が米軍に銃を向けられる事件が起きた。

軍は、民間人に銃を向けないし、向けてはならない。しかも他国の領土でその国の国民に銃を向けるという事が何を意味するか。

日本政府、米政府が法と正義に基づく対処をするよう強く求める。